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制度の動き

酒類業振興支援事業費補助金の第6期、10月28日締切に何を揃えるか

/ 執筆:行政書士 後藤 和樹

結論

国税庁の酒類業振興支援事業費補助金(第6期)は、令和8年10月28日(水)12時が申請の締切です。事業の期限は令和9年2月28日で、交付決定から3か月足らずで支払まで終える計画が求められます。設備を入れるだけの計画は評価が下がるため、設備の先で何を試すかまで書けるかが準備の中心です。

国税庁は令和8年10月8日に、第6期の公募要領を公開しました。対象は、酒類の製造免許または販売業免許を持つ事業者です。酒蔵・ワイナリー・ブルワリーだけでなく、酒販店や、酒類の販売業免許を持つ飲食・小売の会社も対象になり得ます。ここでは公募要領の内容をもとに、締切までに決めることを整理します。

第6期の日程

受付は約3週間です。採択の後も、事業を実施できる期間は3か月ほどしかありません。

項目日程
公募期間令和8年10月8日(木)〜10月28日(水)12:00
採択者の決定令和8年11月下旬(予定)
事業開始令和8年12月上旬(予定)
事業期限令和9年2月28日(日)。この日までに支払の完了が必要
実績報告事業完了から30日以内

申請はJグランツのみで受け付けると案内されています。GビズIDプライムアカウントが必要で、書類郵送で申し込む場合は発行まで1〜2週間程度かかるとされています。発行の遅れによる期限の猶予はありません。まだIDがない場合は、今日のうちに手続きを始める必要があります。

2つの枠と、補助率・上限額

申請区分は「海外展開支援枠」と「新市場開拓支援枠」の2つです。同じ事業者が代表申請者として複数申請することはできません。

項目海外展開支援枠新市場開拓支援枠
主な取組海外販路の拡大、海外向けの新商品開発、酒蔵ツーリズムなどインバウンド需要の開拓商品の差別化、販売手法の多様化、ICTによる製造・流通の効率化、酒米産地との連携
補助率1/21/2(小規模事業者は2/3)
補助金額50万円〜1,000万円50万円〜500万円
申請要件―給与支給総額 年率平均1.5%以上、売上額または付加価値額 年率平均3%以上の増加計画

小規模事業者は、常勤従業員20人以下(卸売業・小売業は5人以下)の法人または個人です。海外展開支援枠では、酒類事業者3者以上で連携するグループ申請の場合、上限額が1,200万円となり、4者以上は1者ごとに100万円ずつ、最大1,500万円まで上がると案内されています。

新市場開拓支援枠では、計画終了時に給与支給総額の目標を達成できなかった場合、補助金の一部の返還を求められることがあります。売上が伸びなかった場合などの例外も定められていますが、賃上げの計画は無理のない水準で立てることが大切です。

評価が下がる計画、上がる計画

審査は外部有識者の意見を踏まえ、100点満点で行われます。公募要領には、評価が劣後する(下がる)計画が具体的に書かれています。

  • 経費がすべて設備等費で、設備の導入だけで完結する事業
  • 補助事業期間中に、テスト販売を除いて成果物の販売や営業行為を行う事業

たとえば、タンクや冷蔵設備を入れるだけの計画は前者に当たります。導入した設備で新商品の開発に着手する、マーケティング調査を行う、システムをテスト運用して改善点を把握する、といった取組を計画書に書いておけば該当しないとされています。経費が発生しない取組でも、計画書に記載するよう求められています。

一方、酒米の価格高騰や米国の関税措置の影響を受けた(受ける見込みを含む)事業者が、その対応として行う取組は優先採択の対象です。酒米の影響による優先採択は、申請者か参画事業者に酒類の製造者がいる場合に限られます。

経費で注意したい点

補助対象経費は、設備等費・広報費・外注費・展示会等出展費・原材料等費など17区分です。ただし、次のような点に注意が必要です。

発注の時期交付決定日より前に発注・契約したものは対象外
相見積1件10万円以上(税抜)は原則2社以上から見積りを取る
対象外の経費人件費、パソコン・タブレット等、家賃、通信費、飲食・接待費、車両など
申請書類の作成費公募申請書・交付申請書の作成支援を外部に依頼した費用は対象外
消費税原則として、消費税等を除いた額で補助金額を計算する

事業期間が短いため、年明けに納品される設備や、2月に開く展示会への出展は、支払まで期限内に終わるかを先に確認しておく必要があります。正当な理由がある場合は、予算の繰越手続により期間の延長が認められることもあると案内されていますが、それを前提に計画を組むのは避けた方が安全です。

締切までに決めること

  1. GビズIDプライムアカウントの有無を確認し、なければすぐに申請する
  2. どちらの枠で申請するかを決める(海外向けか、国内の新市場か)
  3. 設備の導入に加えて、期間内に何を試し、何を測るかを決める
  4. 10万円以上の発注先について、相見積を取る準備をする
  5. 新市場開拓支援枠なら、給与支給総額と売上・付加価値額の3〜5年の計画を作る
  6. 主たる事業実施場所を所轄する国税局(申請先)を確認する

申請方法や記載方法に不明な点がある場合は、所轄の国税局の酒類業調整官に相談するよう案内されています。採択された場合も、採択者向け説明会への参加や交付申請、5年間の事業化状況報告が続きます。当事務所では、計画書の組み立てから採択後の手続きまでを一緒に進めます。費用はご相談時にお伝えします。

関連ページ:採択後の手続き代行/採択はゴールではない/交付決定後に設備や発注先を変えたいとき

出典

制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。

執筆

行政書士 後藤 和樹

後藤行政書士事務所 代表(行政書士 登録番号 25082067)。静岡県・長野県を中心に、設備投資の1年前から補助金の申請・採択後の手続き・入金までを伴走支援しています。

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