結論
交付決定のあとで設備・発注先・経費の配分などを変えるときは、変える前に事務局へ承認申請を出します。事後の申請は認められず、承認のない経費は補助対象外になると案内されています。また、交付決定額の増額はできません。
設備投資の補助金は、採択から発注までに数か月かかることがあります。その間に、メーカーの型番が変わる、見積額が上がる、納期が合わない、といったことが起こります。
「同じような機械だから大丈夫だろう」と先に発注してしまうのが、いちばん危ないパターンです。この記事では、交付決定後に計画を変えたくなったときの考え方を、公式の案内をもとに整理します。
交付決定の内容は、原則として変えられない
ものづくり補助金の公式サイトでは、交付決定の内容は原則として変更できないと案内されています。ただし、補助事業を進めるうえで必要かつ妥当な変更は、認められることがあります。
つまり「変えられない」が出発点で、「理由があれば認められることもある」という順番です。変更内容によっては承認されない場合がある、とも書かれています。
新事業進出補助金のよくある質問では、さらに踏み込んで、成果目標や事業の主旨・目的が変わる計画変更は認められないと案内されています。採択は、応募時の事業計画を審査した結果だからです。
事前に事務局へ連絡が必要な変更
ものづくり補助金の公式サイトには、事前に事務局へ報告が必要な場面として、次の6つが挙げられています。
| 場面 | 具体的には |
|---|---|
| 事業の内容・実施方法を変える | 作る製品やサービス、進め方を変える |
| 50万円以上の機械・器具・備品などを変える | 機種や仕様の変更、購入する設備の入れ替え |
| 事業者名・株主が変わる | 商号変更、株主構成の変更 |
| 経費区分ごとの配分額を変える | 機械装置費を減らして別の区分に回す、など |
| 事業を中止・廃止する | 設備投資そのものを取りやめる |
| 事業の実施場所を変える | 設置する工場や店舗を変える |
上記はものづくり補助金の公式サイトの案内です。どの変更が承認申請の対象になるかは、制度ごとの交付規程と「補助事業の手引き」で決まります。必ずご自身の制度の手引きをご確認ください。
計画変更でよくある3つの誤解
| よくある誤解 | 公式の案内 |
|---|---|
| 発注してから変更を届ければよい | 新事業進出補助金では、事後の申請は認められず、承認のない経費は補助対象外になると案内されています |
| 見積が上がったので補助金も増やしてほしい | 新事業進出補助金では、いかなる理由であっても交付決定額の増額変更はできないと案内されています |
| 応募時になかった経費を交付申請で足せばよい | 新事業進出補助金では、応募申請時に計上していない経費を交付申請時に新たに計上することは認められないと案内されています |
値上がりした分は、自社で負担することになります。計画を立てる段階で、見積の有効期限や価格改定の予定を確認しておくと、あとで慌てずに済みます。
交付申請の前なら、扱いが違うことがある
新事業進出補助金では、交付申請の前に発注業者や金額が変わった場合は、変更後の内容で交付申請の書類を出すよう案内されています。採択から交付申請までの間に気づけば、計画変更の承認申請をしなくて済む場合があります。
だからこそ、採択の通知が来たらすぐに見積を取り直し、型番・金額・納期を確認しておくのが大切です。交付決定のあとで気づくより、手続きはずっと軽くなります。
承認申請では何を出すのか
省力化補助金(一般型)の公式サイトでは、交付決定後の手続きのために、次のような様式が公開されています。
- (様式第2)計画変更承認申請書
- (様式第2別紙)経費明細(計画変更)
- (様式第2別紙2,3,4)事業計画の変更
- (様式第3)事故報告書
- 交付申請取下げ届
計画変更の申請では、何を、なぜ変えるのかを説明します。変更後も事業の目的と成果目標が変わらないこと、変更が必要で妥当であることを、見積書などの根拠とあわせて示すのが基本です。
予定どおり進められない事情が起きたときは、事故報告という別の手続きがあります。どちらに当たるかは、事情を事務局に伝えて確認するのが確実です。
変更が必要になったときの進め方
- 発注・契約を止める:変更の承認が出るまで、変更後の内容では発注しません
- 手引きで確認する:自社の制度の「補助事業の手引き」で、承認申請が必要な変更かを確かめます
- 事務局に相談する:判断に迷うときは、事前に事務局へ問い合わせます
- 根拠をそろえる:新旧の見積書、型番・仕様の比較、変更の理由を用意します
- 承認後に発注する:承認の通知を受け取ってから、変更後の内容で発注します
補助事業には実施期間があります。承認を待つ時間も見込んで、早めに動くことが大切です。
「変えてもいいか」は、発注の前に聞く
計画変更の手続きそのものは、書類の数が特別に多いわけではありません。難しいのは、変更が必要だと気づくタイミングです。発注してからでは、取り返しがつかないことがあります。
当事務所では、交付申請から実績報告まで、採択後の手続きを継続して担当しています。計画変更が必要かどうかの確認や、承認申請の書類づくりだけのご相談も承ります。費用はご相談時にお伝えします。
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出典
制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。