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Go-Tech事業は、公募の前に共同体を組んでおく

/ 執筆:行政書士 後藤 和樹

結論

Go-Tech事業は、中小企業が大学や公設試などと組んで行う研究開発を最大3年間支援する制度です。公募は2〜4月頃の予定と案内されています。申請には共同体の構成が必要なため、連携先とテーマは秋のうちに固めておくのが実務的です。

「技術はあるが、自社だけでは試験や評価ができない」。製造業の経営者から、こうした相談をいただくことがあります。そのときに候補になるのが、成長型中小企業等研究開発支援事業、通称Go-Tech事業です。

令和8年度の公募はすでに終わっています。次の公募に申請するなら、準備の時間は今しかありません。この記事では、制度の中身と、公募前にやっておくことを整理します。

Go-Tech事業とはどんな制度か

中小企業庁は、中小企業者等が大学・公設試等と連携して行う研究開発と、その事業化に向けた取組を最大3年間支援する事業と説明しています。ものづくりの技術だけでなく、サービス分野の研究開発にも使えると案内されています。

ポイントは「事業化を見据えた」研究開発であることです。研究そのものより、成果を製品やサービスにして売るまでの道筋が問われます。

項目通常枠大型研究開発枠
事業期間最大3年間最大3年間
補助上限(単年度)4,500万円1億円
補助上限(3年度合計)9,750万円3億円
補助率(中小企業者等)2/3以内2/3以内
補助率(大学・公設試等)定額定額

課税所得15億円超の中小企業等は、補助率1/2以内と案内されています。数字は令和8年度公募時点のチラシによります。次回の公募で変わる場合があります。

設備だけでなく、人件費も対象になる

補助対象経費として、次のものが示されています。機械装置だけでなく、研究にかかわる人の費用も対象になる点が、設備投資型の補助金との大きな違いです。

  • 人件費・補助員人件費・謝金
  • 機械装置等の設備備品費
  • 消耗品費
  • 委託費 など

チラシでは、知的財産権関連経費なども対象になると案内されています。細かな範囲は公募要領で決まるため、計画を立てる段階で要領を確認します。

反対に、量産のための設備を入れたいだけなら、この制度は合いません。研究開発が目的の事業だからです。その場合は、新事業進出・ものづくり補助金などの設備投資型の制度を検討します。

申請には共同体が必要

Go-Tech事業は、1社だけでは申請できません。共同体を構成する必要があると案内されています。チラシに示された共同体の例は、次のとおりです。

役割担い手の例
研究等実施機関中小企業者等(中核的に研究開発を実施)、大学・高専等、公設試等
事業管理機関地方公共団体の産業支援機関等、大学、公設試など
アドバイザー川下企業、金融機関、有識者、大学、公設試など

中心にいるのは中小企業者です。大学や公設試は「研究を手伝ってもらう相手」ではなく、共同体の一員として役割と経費を持ちます。誰が何を担い、いくら使うかを、申請前に合意しておく必要があります。

公募前に決めておく3つのこと

公募が始まってから連携先を探すと、まず間に合いません。大学や公設試にも内部の手続きがあり、合意までに時間がかかるためです。秋のうちに、次の3つを固めておきます。

  1. 解決したい技術課題:何の性能を、どこまで上げるのか。数値で言えるようにする
  2. 連携先と検証の中身:どの大学・公設試と組み、何を測定・評価するのか
  3. 成果の売り先:研究の成果を、どの製品・サービスにして、誰に売るのか

3つ目が弱い計画は少なくありません。川下企業の声や、想定する顧客の要望を集めておくと、事業化の道筋が具体的になります。相談先がわからない場合は、主たる研究開発の実施場所の都道府県を担当する経済産業局が窓口と案内されています。

採択後は、事業終了後5年間の報告が続く

採択されると、交付申請と交付決定を経て、補助事業が始まります。補助事業の期間中は、実績報告・確定検査・補助金の請求を年度ごとに行います。2年目以降に進むには、中間評価(継続審査)があります。

1〜3年目交付申請 → 交付決定 → 補助事業(事業開始・実績報告・確定検査・補助金の請求)
各年度の終わり中間評価(継続審査)または最終評価
事業終了後5年間事業化状況報告、フォローアップ調査

研究開発の補助金は、年度をまたぐ分、経理と書類の管理が重くなります。人件費を計上するなら、従事時間の記録も日々必要です。申請の段階から、採択後に誰が書類を回すのかを決めておくと安心です。

当事務所では、共同体の役割分担の整理や、採択後の交付申請・実績報告の段取りをお手伝いしています。審査があるため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。費用はご相談時にお伝えします。

関連ページ:補助金は1年前から準備する/製造業の補助金/採択後の手続き代行

出典

制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。

執筆

行政書士 後藤 和樹

後藤行政書士事務所 代表(行政書士 登録番号 25082067)。静岡県・長野県を中心に、設備投資の1年前から補助金の申請・採択後の手続き・入金までを伴走支援しています。

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