補助金の活用を通じて、事業者の経営を推進する。行政書士が1年前から伴走します。

静岡県・長野県/相談無料

制度の動き

喫煙室の設置に使える受動喫煙防止対策助成金、対象店と手順

/ 執筆:行政書士 後藤 和樹

結論

厚生労働省の受動喫煙防止対策助成金は、令和8年度の受付が始まっています。申請期日は2027年1月31日ですが、申請額が予算に達した場合は期日より前に締め切る予定と案内されています。対象は条件を満たす小規模な既存の飲食店で、工事の着工前に交付決定を受けることが前提です。

2020年4月に改正健康増進法が全面施行され、飲食店は原則として屋内禁煙になりました。店内で喫煙できるようにするには、基準を満たした喫煙室が必要です。この助成金は、その喫煙室を設置する費用の一部を助成する制度です。

対象になる会社と店舗

厚生労働省のページでは、対象事業主の条件として次の3点が示されています。会社の条件と、店舗(事業場)の条件の両方を満たす必要があります。

  • 労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業主であること
  • 中小企業事業主であること(労働者数か資本金のどちらか一方の条件を満たせばよい)。健康増進法の第二種施設を営む者に限る
  • 対象の店舗が、健康増進法附則で定める既存特定飲食提供施設であること

既存特定飲食提供施設とは、次の3つをすべて満たす飲食店です。多店舗のチェーンでは、店舗ごとに当てはまるかどうかを確認します。

条件内容
開業時期2020年4月1日時点で、現に存在する飲食店であること
資本金資本金5,000万円以下であること(一の大規模会社が発行済株式の2分の1以上を持つ場合などを除く)
客席面積客席面積が100㎡以下であること

2020年4月以降に出店した店舗や、客席が100㎡を超える店舗は、この条件に当てはまりません。出店時期と図面上の客席面積を、先に店舗ごとに一覧にしておくと判断が早くなります。

助成の対象になる喫煙室

助成の対象は、一定の要件を満たす喫煙専用室と指定たばこ専用喫煙室の設置に必要な経費です。2つは室内で飲食ができるかどうかが違います。

喫煙室の種類吸えるもの室内での飲食
喫煙専用室紙巻たばこ・加熱式たばこ不可
指定たばこ専用喫煙室加熱式たばこのみ可

喫煙室には技術的な基準があります。出入口で室外から室内へ流れ込む空気の気流が毎秒0.2m以上であること、壁や天井などで区画されていること、たばこの煙を屋外または外部に排気することです。工事業者に見積を頼むときは、この基準を満たす仕様かどうかを確認してください。

助成率と上限額

項目内容
助成率3分の2(主たる業種の産業分類が飲食店以外の場合は2分の1)
上限額100万円
面積あたりの上限助成対象経費は喫煙室1㎡あたり60万円まで
対象経費工費、設備費、備品費、機械装置費など

飲食店が主たる業種であれば、助成率は3分の2です。たとえば菓子製造業の会社が喫茶スペースを営む場合のように、主たる業種が飲食店以外だと2分の1になります。

面積あたりの上限にも注意が必要です。厚生労働省のページでは、飲食店以外の事業場が3㎡の喫煙専用室を設置する場合、助成対象経費は180万円まで、助成額は90万円までという例が示されています。必要以上の性能の設備や高価な材料を使うと、減額査定の対象になると案内されています。

工事の前に交付決定を受ける

いちばん注意したいのは順番です。工事の着工前に交付申請書を所轄の都道府県労働局長に提出し、交付決定を受ける必要があります。交付決定の前に契約や支払いをする場合も事前の手続きが必要なため、労働局に相談するよう案内されています。

  1. 店舗が既存特定飲食提供施設に当たるかを確認する
  2. 喫煙室の種類と場所を決め、基準を満たす仕様で見積を取る
  3. 交付申請書を所轄の都道府県労働局に提出する(持参またはjGrants。jGrantsはGビズIDが必要)
  4. 交付決定を受けてから、発注・工事を行う
  5. 工事の後に事業実績報告を出し、助成金を受け取る

助成金の支給は工事の後です。概算払いではないため、工事代金はいったん全額を自社で立て替えることになります。審査があるため、申請すれば必ず交付されるわけではない点も前提にしてください。

「無料で設置できる」という勧誘に注意

厚生労働省は、業者から「国の助成金を使えば無料で喫煙室が設置できる」と勧められたという情報が寄せられていると注意を呼びかけています。この助成金は工事費の一部を助成するもので、全額を助成するものではありません。

不審な点があれば、所轄の都道府県労働局に連絡するよう案内されています。見積の内容や工事の範囲に納得できないまま契約を急がないことが大切です。費用はご相談時にお伝えします。

関連ページ:チェーン店の補助金/セントラルキッチンのある飲食店の補助金/交付決定後に計画を変えたいとき

出典

制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。

執筆

行政書士 後藤 和樹

後藤行政書士事務所 代表(行政書士 登録番号 25082067)。静岡県・長野県を中心に、設備投資の1年前から補助金の申請・採択後の手続き・入金までを伴走支援しています。

事務所案内・プロフィール

店舗の喫煙室、助成金の対象になるかから一緒に確認します

相談・お見立ては無料です。静岡県・長野県を中心に全国オンライン対応/2営業日以内にご返信します。

電話する無料相談を申し込む