結論
中小企業省力化投資補助金(一般型)の第8回公募は、2026年10月16日(金)17:00締切です。残りは約3週間。日数のかかる手続き(GビズIDプライム、一般事業主行動計画の公表、見積の取得)が終わっているかどうかで、今回出せるかが決まります。
一般型は、人手不足を機械やシステムで補う投資を支援する制度です。現場に合わせて設備を組める反面、事業計画で省力化の効果を数字で示す必要があります。今から着手して間に合うのか。公募要領(第8回)の記載をもとに整理します。
第8回のスケジュールは、どうなっているのか
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年8月18日(火) |
| 申請受付開始 | 2026年9月18日(金) |
| 公募締切 | 2026年10月16日(金)17:00 |
| 採択発表 | 2027年2月上旬(予定) |
第9回のスケジュールは「詳細が確定次第更新」と案内されており、まだ公表されていません。次の回を待つ場合は、日程が見えないまま準備を続けることになります。
採択のあとにも期限があります。交付申請は原則として採択発表日から2か月後の日まで、補助事業は交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月以内)に、発注から支払い、実績報告の提出までを終える必要があります。
締切までに、何が間に合わないおそれがあるのか
計画書そのものより、外部の手続きが待ち時間になります。締切から逆算して、まず次の3つを確認してください。
| 手続き | 注意点 |
|---|---|
| GビズIDプライムの取得 | 電子申請に必須。取得には一定の期間がかかると案内されています |
| 一般事業主行動計画の公表(従業員21名以上) | 「両立支援のひろば」への掲載に2週間程度。2週間以上の余裕をもった申請が求められています |
| 見積書・仕様書の取得(50万円以上の設備) | 仕様・積算根拠が分かる書類を申請時に添付。システム構築は「一式」の見積は認められません |
| 金融機関の確認書 | 投資資金を金融機関から借りる予定がある場合に必要 |
一般事業主行動計画は、応募時点で未公表なら「公表する旨を宣誓」し、交付申請時までに公表する扱いです。ただし審査で不備が見つかることもあるため、早めの申請が勧められています。
このほか、決算書2期分、納税証明書(その2)3期分、履歴事項全部証明書など、法人として揃える書類があります。参考見積の取得が事前着手に当たらないよう注意することも、公募要領に明記されています。
賃上げの要件は、どこまで約束することになるのか
一般型では、3〜5年の事業計画で次の基本要件をすべて満たす必要があります。ここは採択後に「達成できるか」が問われる部分です。
| 基本要件 | 内容 |
|---|---|
| 労働生産性 | 年平均成長率+4.0%以上 |
| 1人当たり給与支給総額 | 年平均成長率+3.5%以上(目標値を交付申請時までに従業員等へ表明) |
| 事業場内最低賃金 | 毎年、事業実施都道府県の最低賃金+30円以上 |
| 一般事業主行動計画 | 従業員21名以上の場合に公表 |
1人当たり給与支給総額の目標が未達の場合は、達成率に応じて補助金の返還を求められます。事業場内最低賃金の要件が未達の年は、補助金額を事業計画年数で割った額の返還が求められます。天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は、返還を求めないとされています。
補助上限を引き上げる大幅賃上げ特例(給与は合計+6.0%以上、最低賃金+50円以上)を使うと、未達時の返還もそのぶん重くなります。上限を取りにいくかどうかは、5年分の人件費の見通しと合わせて決めるのが安全です。
計画書では、何を数字で示すのか
一般型は、カタログ注文型より審査項目が多いと公募要領に書かれています。とくに次の数字には根拠が求められます。
- 省力化指数:設備導入で削減される業務時間の割合
- 投資回収期間:投資額を、削減工数と増える付加価値から割り戻した年数(根拠資料とともに提出)
- 付加価値額:営業利益+人件費+減価償却費が、計画期間に増えること
汎用設備を単体で入れるだけの計画は対象外です。周辺機器の組み合わせや現場に合わせた設計で、オーダーメイドといえる構成になっているかが見られます。ソフトウェアやシステム開発の比重が大きい案件は、オンラインの口頭審査の対象になることがあり、申請者自身が受け答えする必要があります。
公募要領では、事業計画は申請者自身で作成すること、作成を支援した者がいる場合は支援者名と報酬額を申請画面に記載することが求められています。
間に合わないときは、どう判断すればよいか
工程ごとの作業時間が測れていない、見積が1社も取れていない。この状態から3週間で仕上げると、数字の根拠が薄い計画になりがちです。その場合は、第9回に回して現場の計測から始めるほうが結果的に早いこともあります。
- GビズIDプライムと行動計画の手続きだけは、今すぐ始めておく
- 対象工程の作業時間と人数を、1〜2週間分記録する
- 設備の仕様を固め、50万円以上の物件は複数社から見積を取る
- 給与と最低賃金の5年計画を、顧問税理士の先生と確認する
どの工程を機械に置き換えるのか、その投資で何時間減るのか。ここが言葉で説明できれば、第8回か第9回かの判断はすぐにつきます。費用はご相談時にお伝えします。
関連ページ:中小企業省力化投資補助金(一般型)/採択はゴールではない
出典
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)(中小企業基盤整備機構)
- スケジュール(一般型)(中小企業省力化投資補助金 公式サイト)
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第8回公募要領を公開しました(中小企業庁)
- 「省力化投資補助金(一般型)」の第8回 公募要領を公開しました(補助金活用ナビ/中小機構)
制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。