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100億宣言には何を書くか。5つの項目と公表前の注意点

/ 執筆:行政書士 後藤 和樹

結論

100億宣言はA4約1枚の様式に、企業概要・目標と課題・具体的措置・実施体制・経営者のコミットメントの5項目を書くものです。書いた内容はすべてポータルサイトで公表されるため、公表されても困らない書き方が欠かせません。成長加速化補助金の3次公募に使うなら、公表まで通常2〜3週間かかる点から逆算して、今週中に動き出す必要があります。

100億宣言は、売上高100億円という目標を掲げ、そこへ向かう取組を社外に宣言するものです。中小企業成長加速化補助金の申請要件になっているため、「補助金のために出す書類」と受け止められがちです。

ただ、宣言の中身は補助金の申請書と同じ投資の話につながります。ここで書いたことと申請書の内容がずれると、自社の計画の筋が通らなくなります。この記事では、宣言に何を書くか、何に気をつけるかを順に整理します。

100億宣言の基本

中小企業庁・中小機構の案内をもとに、宣言の概要をまとめます。

項目案内されている内容
宣言できる企業売上高10億円以上100億円未満の中小企業
様式A4約1枚
記載する項目企業概要/目標と課題/具体的措置/実施体制/経営者のコミットメント
申請方法Jグランツによる電子申請
公表までの期間通常2〜3週間。不備があればさらに時間がかかる
公表のされ方記載内容はすべて100億企業成長ポータルで公表

補助金の申請予定がない会社も、単独で宣言できると案内されています。宣言企業には、ポータルへの掲載や経営者ネットワークへの参加といった支援も用意されています。

5つの項目に何を書くか

様式が1枚に収まる分、1項目に使える分量は多くありません。項目ごとに、書く中身と気をつけたい点を整理します。

項目書く中身気をつけたい点
企業概要足下の売上高、従業員数、主な事業決算書の数字と合わせる
目標と課題売上高の成長目標、達成までの期間、その道筋期間と途中の目標をはっきりさせる
具体的措置生産体制の増強、海外展開、M&Aなど目標の売上に届く取組になっているか
実施体制誰が責任を持ち、どう進めるか社長ひとりに頼らない体制を示す
経営者のコミットメント経営者自らのメッセージ自分の言葉で、なぜ目指すのかを書く

中小企業庁の担当者は、売上高100億円はあくまで中長期的なビジョンで、5年での必達を求めるものではないと説明しています。いまの売上から見て無理のある数字を並べるより、道筋に説明がつく目標を書くほうが、社内でも金融機関にも使える宣言になります。

数字は、今の事業から積み上げる

宣言でいちばん悩むのが「目標と課題」です。先に文章を書き始めると、数字の裏付けが後回しになります。次の順で材料をそろえてから書くと、ぶれが少なくなります。

  1. 足下の売上を事業ごとに分ける:主力の事業、伸びている事業、新しく始める事業に分ける
  2. 目標年と途中の目標を決める:何年後にどこまで伸ばすかを置く
  3. 伸ばす手段を事業ごとに書く:設備の増強、販路の拡大、新工場、M&Aなど
  4. 足りないものを課題として書く:生産能力、人材、資金、管理の仕組みなど
  5. 課題への手当てを具体的措置に回す:今回の設備投資がどの課題を解くのかをつなぐ

この順で作ると、「課題」と「具体的措置」が自然につながります。補助金を使う投資が、そのつながりの中にきちんと位置づけられているかが大切です。

公表されることを前提に書く

宣言の内容は、そのまま社外に出ます。取引先や競合、採用候補者も読むものと考えて、書き方を調整します。

  • 取引先の名前は出さず、業種や地域でぼかす
  • 未公開の技術や新商品は、中身が分からない書き方にとどめる
  • M&Aの候補先は書かない。「同業の承継」など方向性にとどめる
  • 社内でまだ共有していない計画(拠点の統廃合など)は、先に社内の段取りを整える

ぼかしすぎると、今度は何をする会社なのかが伝わりません。「どの市場で、何を強みに伸びるのか」までは読み取れるように書くのが目安です。

補助金の事業計画と食い違わせない

成長加速化補助金を申請する場合、宣言と申請書の両方に売上の目標や投資の中身を書くことになります。次の点は、両方で同じ数字・同じ説明になっているかを確かめます。

  • 売上高の目標と、達成までの期間
  • 今回の投資の内容と、それで伸ばす事業
  • 人員の増やし方と、賃上げの計画
  • 実施体制(責任者と進め方)

宣言は公表後に誰でも読めるため、申請書と食い違っていれば説明を求められる場合があります。宣言を先に出す場合も、申請書の骨組みを同時に考えておくと安全です。

3次公募から逆算した日程

中小企業成長加速化補助金の3次公募は、2026年11月12日(木)15時締切と100億企業成長ポータルで案内されています。申請時までに宣言が公表されている必要があります。

時期やること
9月末〜10月第1週材料をそろえ、宣言を書いてJグランツで申請
10月中旬〜下旬公表待ち(通常2〜3週間)。並行して補助金の申請書を作成
11月上旬宣言の公表を確認し、申請書を仕上げる
11月12日15時3次公募の締切

不備で差し戻しが入れば、公表はさらに遅れます。締切直前の申請はシステムが混み合うこともあるため、余裕を持った日程を組んでください。締切や要件は変わることがあるので、申請前に必ず最新の公募要領を確認します。

当事務所では、宣言の中身の整理から、補助金の申請書、採択後の交付申請・実績報告まで一続きでお手伝いします。費用はご相談時にお伝えします。

関連ページ:中小企業成長加速化補助金/成長加速化補助金の3次公募、締切までに何が間に合うか

出典

制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。

執筆

行政書士 後藤 和樹

後藤行政書士事務所 代表(行政書士 登録番号 25082067)。設備投資の1年前から、補助金の申請・採択後の手続き・入金までを伴走支援しています。

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