結論
厚生労働省の「令和8年度SDS電子化補助金」は、交付申請の受付が2026年11月30日までです。SDS(安全データシート)を厚生労働省の標準フォーマットで読み込み・出力できるシステムの導入や改修に、経費の1/2・上限100万円が補助されます。申請はシステムを入れる前が条件で、予算に達すると期日前でも受付が止まると案内されています。
塗料・接着剤・洗浄剤など、化学物質を含む製品を仕入れたり出荷したりする会社では、SDSのやり取りが日常的に発生します。紙やPDFで受け取ったSDSを手作業で管理している会社も多いはずです。この補助金は、そのやり取りを標準の電子データに切り替えるためのものです。全国労働衛生団体連合会(全衛連)の案内をもとに、締切までに確認することを整理します。
どんな制度か
労働安全衛生法では、通知対象物を譲渡・提供するときに、SDSで危険性・有害性の情報を伝えることになっています。この補助金は、その情報を標準フォーマットの電子データで出力・入力できるシステムの導入や、既存システムへの機能追加を行う中小企業を支援する目的とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所管 | 厚生労働省 |
| 申請窓口 | 公益社団法人全国労働衛生団体連合会(全衛連) |
| 補助率・上限 | 補助対象経費の1/2、上限100万円(千円未満切捨て) |
| 上限の単位 | 同一申請者あたり、年度内で上限100万円 |
| 交付申請の期間 | 2026年7月1日〜2026年11月30日 |
| 申請方法 | 郵送、電子メール、またはJグランツ |
対象になる会社
対象は、次のいずれかにあてはまる中小企業者です。従業員数か資本金のどちらか一方を満たせば対象になると案内されています。
| 業種 | 常時使用する労働者数 | 資本金・出資総額 |
|---|---|---|
| 製造業その他 | 300人以下 | 3億円以下 |
| 卸売業 | 100人以下 | 1億円以下 |
| サービス業 | 100人以下 | 5,000万円以下 |
| 小売業 | 50人以下 | 5,000万円以下 |
交付申請では、令和7年度の労働保険料納付証明書等の提出が求められます。事業場単位ではなく、企業としての納付の証明が必要とされています。工場が複数ある会社は、早めに取り寄せておくと安心です。
対象になるシステムの条件
既存システムの改修・買換え、または新しいシステムの導入にかかる経費が対象です。ただし、次の2つの機能を両方備えている必要があります。読み込みだけ、出力だけのシステムは条件を満たしません。
- 読み込み:標準フォーマット(SDSデータ交換フォーマット項目定義書、厚生労働省 令和7年3月31日公表)の電子データ、または紙・PDFのSDSを読み込み、判読できるSDSとして復元できること
- 出力:SDSデータを標準フォーマットの電子データとして出力でき、労働安全衛生法に沿っていない場合に記入を促す機能などがあること
リース、ライセンス、保守などの契約は、事業の実施期間中に支払った分が対象です。複数年分をまとめて支払った場合は、補助を受ける年度を含めて3年分(36か月分)までが対象とされています。
申請から入金までの流れ
交付決定通知の日以後に導入したシステムだけが補助の対象です。先に発注・導入してしまうと対象外になるため、順番を守ることが何より大切です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 申請前 | システムが基準を満たすかの確認、見積書の取得 |
| 2026年11月30日まで | 交付申請(システム導入前に提出) |
| 申請の翌月末まで(原則) | 書類審査(約1か月)を経て交付決定 |
| 交付決定の後 | システム提供事業者へ正式発注、導入、支払い |
| 2027年2月28日必着 | 補助金請求書類の提出 |
| 請求の翌月末めど | 支給決定と振込 |
11月末に申請すると、交付決定は原則12月末までとなります。そこから2月末の請求期限までに、発注・導入・支払いを終える必要があります。年末年始をはさむため、システム会社の作業日程は申請前に押さえておくのが現実的です。
請求のときに揃える書類
請求では、支払いの証拠に加えて、システムが実際に動くことの確認が求められます。導入後にあわてないよう、申請の段階でシステム会社と分担を決めておきましょう。
- 補助金請求書(様式5)と暴力団排除に関する誓約書
- 納品書・請求書・領収書(または銀行振込明細書)の写し
- 割賦契約書と支払実績がわかる領収書等(割賦の場合)、売買契約書の写し(売買の場合)
- 全衛連から提供される電子情報を、導入したシステムで読み込んで印字したSDS
- システム導入に係るチェックシート(システム提供事業者の証明が必要)
審査があるため、申請すればかならず交付されるわけではありません。予算の上限に達した場合は期日前でも受付を停止し、全衛連のホームページで知らせると案内されています。検討するなら、まずは今のSDS管理の方法と、候補のシステムが標準フォーマットに対応しているかを確かめてください。費用はご相談時にお伝えします。
関連ページ:製造業の補助金/採択後の手続き(交付決定から入金まで)/採択後サポート
出典
- 令和8年度SDS電子化補助金のご案内(厚生労働省・全国労働衛生団体連合会)
- SDS電子化補助金(公益社団法人全国労働衛生団体連合会)
- SDS電子化補助金(間接補助金)に係る補助事業者(執行団体)の公募について(厚生労働省)
- 令和8年度SDS電子化補助金(Jグランツ)
制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。