結論
省力化補助金(一般型)第7回の採択発表は2026年11月中旬の予定です。採択されても、原則として採択発表日から2か月後の日までに交付申請を終えなければ採択は取り消されます。見積書の取り直しと賃金台帳の整理に時間がかかるため、発表前から準備を始めておくのが安全です。
採択は「補助金交付候補者」に選ばれた段階で、まだ補助金がもらえると決まったわけではありません。交付申請で経費の中身が精査され、交付決定を受けて初めて発注ができます。ここでは、事務局が公開している「交付申請の手引き(第6回公募)」をもとに、交付申請で何が求められるかを整理します。
第7回向けの手引きは、この記事の時点では事務局サイトにまだ掲載されていません。第7回の手引きが公開されたら、細かな点はそちらで確認してください。
採択発表から交付決定までの流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 採択発表 | 第7回は2026年11月中旬(予定)。結果はマイページに表示される |
| 研修動画の視聴 | 確認テストまで終えて「修了証」を受け取る。交付申請時に提出が必要 |
| 交付申請 | 原則、採択発表日から2か月後の日が期限。申請システムで手続きする |
| 事務局の審査・差し戻し | 不備があれば差し戻される。応募時の内容の修正を求められることもある |
| jGrantsでの手続き | 発行された「交付申請の概要」をjGrantsに添付して進める |
| 交付決定 | ここから契約・発注ができる。事前着手は認められない |
差し戻しへの対応が遅れると、交付決定が遅れます。そのぶん補助事業に使える期間が短くなります。第6回の手引きでは、補助事業の実施期間は交付決定から18か月以内(採択発表日から20か月以内)とされています。
一番時間がかかるのは見積書
交付申請では、応募時に計画した経費ごとに、見積書をもとに金額と内訳を入力します。手引きでは見積書について次のように定めています。
- 見積は口頭で頼まず、見積依頼書を作って依頼する
- 発注先1者あたりの見積額の合計が50万円(税抜)以上の経費は、原則、同一条件で2者以上から取り、最低価格の者を選ぶ
- 「一式」表記や一括値引きは認められない。項目ごとの内訳が必要
- 交付申請日の時点で有効で、発注時点でも有効な見積書であること
- 資本関係のある会社、同じ代表者・役員がいる会社、社内の部署からの見積は認められない
相見積が取れない場合は、選定理由書を出します。ただし「付き合いが長い」「アフターフォローが良い」「社内規定で決まっている」といった理由は、合理的な理由として認められない例に挙げられています。応募時に取った参考見積がこの条件を満たしていない場合は、取り直しになります。
賃金台帳と賃上げ計画の表明
応募時に決めた「1人当たり給与支給総額」の目標の根拠を確かめるため、賃金台帳の提出が求められます。不備が多いと手引きでも注意されている書類です。
| 書類 | 求められている内容 |
|---|---|
| 賃金台帳 | 応募時の直近決算期(12か月分)について、その時点で雇用していた全従業員分 |
| 賃金台帳の形式 | 労働基準法の10項目が確認できるもの。給与明細・出勤簿・源泉徴収票は不可 |
| 賃金引き上げ計画の表明書 | 自社で決めた目標値を、交付申請日までに従業員(または従業員代表)と役員に表明した記録 |
応募時に決めた目標値は、交付申請で変えることはできません。目標を達成できなかった場合は、原則として補助金の返還が発生すると案内されています。手引きでは、目標が実現できないと判断した場合は事務局に連絡するよう求めています。交付申請の前に、5年分の人件費の見通しを顧問税理士の先生ともう一度確認しておくことをお勧めします。
交付申請で変えられないこと
採択後に計画を組み直したくなることがあります。しかし、交付申請でできる見直しには限りがあります。
- 応募時に計上していない機械・システムを新たに追加することはできない(付随するオプションや周辺機器は、計画が変わらない範囲で認められる)
- 見積の結果、経費が増えても、補助金額は採択時の額が上限
- 補助事業の実施場所は、原則として採択から交付申請までの間に変更できない
- 同じ事業で複数の補助金に採択された場合は、1つを選んで交付申請する
このほか、申請の担当者は申請者本人か自社の従業員でなければならず、外部の支援者を担当者として登録することはできません。導入した機械装置には、事業計画期間が終わるまで保険または共済への加入が必要です。
採択発表までにやっておくこと
- 応募時に取った見積書が、内訳・有効期限・相見積の条件を満たしているか確認する
- 50万円以上の経費で相見積が1者しかないものは、同じ条件で依頼できる先を探しておく
- 直近決算期12か月分の賃金台帳を、全従業員分そろえる
- 給与の目標値を従業員へどう表明するか(掲示・朝礼・書面など)を決めておく
- 補助金は事業完了後の精算払いのため、発注から入金までの資金繰りを金融機関と相談する
第9回の公募も2026年11月4日に始まりました。申請受付は12月上旬、締切は12月下旬の予定と案内されています。第7回で採択を逃した場合や、別の設備で次の回を狙う場合も、交付申請の要件を知っておくと応募時の見積や計画の作り方が変わります。費用はご相談時にお伝えします。
関連ページ:中小企業省力化投資補助金(一般型)/採択はゴールではない/交付決定後に計画を変えたいとき
出典
- 交付申請の手引き(第6回公募)(中小企業省力化投資補助事業〈一般型〉/中小企業基盤整備機構)
- スケジュール(一般型)(中小企業省力化投資補助金 公式サイト)
- 資料ダウンロード(一般型)(中小企業省力化投資補助金 公式サイト)
制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。