結論
静岡市の物流効率化等生産性向上支援事業補助金は、令和8年11月30日17時必着です。運送会社だけでなく、市内の運送会社と継続して契約している製造業などの荷主も対象になります。ただし実績報告は令和9年1月14日17時までで、それまでに納品と支払いを終える必要があります。最初に確かめるのは、発注から支払いまでが年末年始を挟んで間に合うかどうかです。
どんな制度か
市が、物流の効率化に取り組む事業者の設備やシステムの導入費を補助する制度です。補助は予算の範囲内で行うと要綱に定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期限 | 令和8年11月30日(月)17時まで(必着) |
| 実績報告の期限 | 令和9年1月14日17時まで |
| 補助率 | 補助対象経費の2分の1以内(千円未満切り捨て) |
| 上限額 | 300万円(下の区分1〜3のいずれかを含む場合。含まない場合は200万円) |
| 申請の回数 | 1事業者につき1回限り |
市のQAでは、複数の区分に該当する事業者も、いずれか一つの区分で申請するよう案内されています。交付決定を受けた事業を中止して、別の事業で申請しなおすこともできません。何に使うかは、申請前に一つに絞る必要があります。
荷主が対象になる条件と、使える区分
荷主として申請するには、要綱の次の条件をすべて満たす必要があります。要綱の荷主の条件には、中小企業であることは挙げられていません。
- 申請日に営業の実態があり、今後も営業を続ける意思があること
- 静岡市内に本社または営業所等があること(本社が市外でも、市内に営業所があれば申請できると案内されています)
- 市内の運送事業者と、継続して貨物を運ばせる契約を結んでいること
宅配便などの小口貨物のみを利用する事業者は、荷主から除かれています。また契約を確認できる書類(契約書の写し等)の提出が必要です。口頭の取引だけの場合は、まず書面を確認してください。
対象となる事業は事業者の種類ごとに決まっています。荷主が使えるのは次の2区分です。
| 区分 | 市が示す取組例 |
|---|---|
| 区分2 積載効率の向上 | 配車計画システム、出荷・積載計画最適化システム、配送ルート・積載計画の自動化、パレットの標準化 |
| 区分3 荷待ち・荷役等時間の削減・把握 | 標準仕様パレット、電動ハンドリフト、検品ソフト、荷役支援設備、トラック受付のデジタル化、自動運搬設備、倉庫管理システム、バース予約システム |
国の物流効率化法では、すべての荷主に、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役等時間の短縮などの努力義務が2025年度から課されています。この区分はその取組に重なるため、出荷場の待ち時間に課題がある工場や、菓子・食品の出荷が集中する会社は検討の余地があります。
対象にならない経費
見積を取る前に、次の点を確認してください。特にリース料と買い替えは、設備投資の計画で前提にしていることが多い項目です。
| 経費 | 扱い |
|---|---|
| 消費税 | 対象外 |
| リース料・レンタル料 | 対象外 |
| 車両本体 | トラック等は対象外。フォークリフトなど、それ自体が物流効率化に資するものは対象 |
| 既にある資機材の買い替え | 対象外。ただし高度化を図る場合は対象となる可能性があり、導入効果を書いたうえで市に相談 |
| 中古品 | 生産性向上の効果が認められる場合は対象 |
| パソコン・タブレット | 単体は対象外。新たに導入するシステムの専用機として使う場合は対象 |
| ルーター・通信費 | 対象外 |
| 月額利用料・保守料 | 対象のシステムについて、補助事業期間中に要した分のみ対象 |
| 市外の拠点の分 | 対象外。全拠点に入れるシステムは、市内分を合理的な基準で按分 |
国や県など他の補助金との併用は可能と案内されています。ただし他から受ける金額に相当する分は対象外となり、併用を認めていない補助金もあります。
納期から逆算する
この補助金で一番厳しいのは、申請の締切ではなく、その後の日程です。交付決定より前の契約・発注・購入は対象外です。申請から交付決定までは2週間ほどとされ、書類に不備があるとさらに時間がかかる場合があります。
| 工程 | 時期の目安 |
|---|---|
| 見積・対象経費の確認 | 今週中に着手 |
| 交付申請 | 11月30日17時が期限。早いほど後の日程に余裕ができる |
| 交付決定 | 申請から2週間ほど。その後に発注 |
| 納品・支払い | 実績報告の前にすべて完了 |
| 実績報告 | 令和9年1月14日17時まで |
締切日に申請すると、交付決定は12月中旬ごろの見込みです。そこから発注すると、納品と支払いに使えるのは年末年始を含めて1か月ほどしかありません。受注生産の設備や、現場の調整が要るシステムは、この時点で難しい場合があります。
まず販売店に、発注から納品までの日数を確認してください。これが1か月を超えるなら、今年度は無理に申請せず、次の機会に向けて準備するのも一つの判断です。来年度も募集があるかどうかは、市に確認してください。
申請書に書く数字を先に測る
荷主の事業計画書(様式第2号)には、改善する項目の現状値、目標値、算出方法を書きます。項目は荷待ち時間(分)、荷役等時間(分)、積載効率(%)などです。積載効率の区分なら積載効率を、荷待ち・荷役等の区分なら荷待ち時間か荷役等時間を記載するよう案内されています。
現状値が手元にない会社は、運送会社に協力を頼んで測るところから始めます。物流効率化法のポータルサイトでは、荷待ち時間はドライバーの到着から荷役開始まで、荷役等時間は荷役の開始から終了までと定義されています。あわせて次の書類も用意します。
- 交付申請書(様式第1号)
- 事業計画書(様式第2号)。取引のある市内運送事業者の調書を含む
- 収支予算書(様式第4号)
- 支出の見積書一式
- 市内運送事業者との運送契約を確認できる書類
申請は市のページにある専用フォームから行います。QAでは郵送・持参にも対応と案内されています。市役所清水庁舎には中小企業診断士の相談窓口があり、令和9年1月14日までの火・水・木曜の13時〜16時に開設されています(祝日、12月29〜31日を除く。対面・オンライン相談は事前予約)。
補助金を受けた後に続くこと
実績報告と入金で終わりではありません。要綱では次のことが条件になっています。
- 計画や予算を変えるときは、変更後の事業を実施する前に市へ連絡し、承認を受ける
- 取得した設備は耐用年数等に相当する期間、市の承認なしに目的外使用・譲渡・貸付・担保提供をしない
- 帳簿と領収書等は、交付を受けた年度の終了後5年間保管する
- 目標の決算期を過ぎた後、実績値を記入した市のアンケートに回答する
工場の移転や設備の売却を考えている場合は、申請前に確認しておくと安心です。審査がある制度ですので、対象に当てはまる場合でも、交付が決まるとは限りません。
関連ページ:静岡市の補助金申請サポート
出典
- 静岡市物流効率化等生産性向上支援事業補助金(静岡市)
- 静岡市物流効率化等生産性向上支援事業補助金 交付要綱(静岡市)
- 物流効率化等生産性向上支援補助金 QA(静岡市)
- 5分でわかる物流効率化法の改正のポイント(国土交通省 物流効率化法理解促進ポータルサイト)
制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。