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採択後の手続き

収益力向上(賃上げ環境整備)補助金、年内に終えること

/ 執筆:行政書士 後藤 和樹

結論

静岡県産業振興財団の「中小企業等収益力向上(賃上げ環境整備)事業費補助金」は、補助事業期間が交付決定日から令和8年12月31日までです。期間内に発注・納品・支払まで終えていない経費は補助されません。実績報告は、完了から30日以内か翌年1月10日のどちらか早い日までと定められているため、年末年始を見込んで今から逆算しておくことが大切です。

第1次・第2次公募で採択され、交付決定を受けた会社は、いまちょうど補助事業の後半に入っています。設備の納期や展示会の日程によっては、年内の完了がぎりぎりになることもあります。

この記事では、令和8年度の交付要綱と財団のQ&Aにもとづいて、年内に済ませること、年明けに出す書類、その後も続く義務を順に整理します。

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手続き期限・ルール
補助対象となる経費交付決定日以降に契約・発注・支払をしたもの
補助事業期間交付決定日から令和8年12月31日まで
実績報告事業完了の日から起算して30日を経過した日、または交付決定のあった年度の1月10日の、いずれか早い日まで
補助金の請求補助金交付確定通知書を受け取った日から起算して10日を経過した日まで
事業実績報告最長2年間の事業計画期間の最終年度の決算確定後、速やかに
帳簿・領収書等の保管補助金の交付を受けた年度の終了後5年間

12月31日に完了した場合、30日後よりも1月10日のほうが早いため、1月10日が実績報告の期限になります。年末に支払を済ませてから書類を整える時間は、年末年始の休みを挟んでわずかです。

年内に済ませること:支払と証拠書類

Q&Aでは、補助金が交付されない例として「補助事業期間内に支払が完了していない」「経費に係る証憑類に不備がある」などが挙げられています。納品だけでなく、支払まで12月31日までに終える必要があります。

  • 見積書・発注書・納品書・請求書・振込の記録を、経費ごとにそろえる
  • 税込50万円以上の経費は、実績報告時に原則として相見積が必要と案内されています
  • 海外からの購入は、実績報告時の為替レート実績で換算します(交付決定額は増えません)
  • 展示会で既存事業もPRした場合は、補助事業分を面積按分などで切り分けます

相見積は、発注の前に取っておかないと後から用意できません。これから発注する経費があれば、先に確認しておきます。

予定どおり進まないときは、先に財団へ

交付要綱では、事業の内容や経費を変える場合は、軽微な変更を除きあらかじめ理事長の承認が必要です。予定の期間内に完了しない場合も、速やかに報告して指示を受けることとされています。

軽微な変更(承認不要)事情の変化による方法・手段の部分的な変更/交付決定額の20%以内の減少
承認が必要な変更上記を超える事業内容・経費の変更、事業の中止・廃止
設備の変更同等の性能を持つ代替品であれば変更は可能とQ&Aで案内されています

設備の納期が年をまたぎそうだと分かった時点で、事務局に相談するのが安全です。完了後に事情を説明しても、対象外になるおそれがあります。

賃上げ要件は、完了までに満たしているか

補助率2/3・上限の引上げは、補助事業の完了までに3.5%以上の賃金引上げを実施していることが条件です。満たせなかった場合は、補助率と上限額が引き下げられ、交付決定額も減額されるとQ&Aに明記されています。

  • 比較月は、令和7年4月から補助事業期間の終了までであれば、いつでもよいとされています
  • 比較できる従業員は、基準月と比較月の両方に在籍している雇用保険加入者です
  • 賞与・時間外手当・通勤手当などは算入しません。固定的な手当の扱いはQ&Aで確認します

12月の給与で引上げを予定している場合は、支給日と補助事業期間の終了日の関係も含めて、事務局に確認しておきます。

入金後も続く3つの義務

  1. 取得財産の管理:1件50万円以上の機械・器具は、耐用年数の期間内、承認なく目的外使用・譲渡・貸付け・担保提供ができません。取得財産等管理台帳(様式第4号)で管理します
  2. 事業実績報告:付加価値額の目標(年率平均3%以上)の達成状況を、事業計画期間の最終年度の決算確定後に報告します(様式第10号)
  3. 事後評価:補助事業の完了した年度の終了後5年間は、事業の効果について調査を受けることがあります

Q&Aでは、事情の変化で付加価値の目標を達成できなくても、ただちに補助金の返納を求められることはないと案内されています。ただし、設備を処分して収入があった場合は、全部または一部の納付を求められることがあります。

当事務所がお手伝いできること

実績報告の書類作成、証拠書類の点検、変更の相談の段取りを、決算や給与の担当の方と連携して進めます。補助金額の確定は財団の審査によります。費用はご相談時にお伝えします。

関連ページ:採択後の手続きサポート/交付決定後に設備や発注先を変えたいとき、先にやること/補助金で買った設備は、勝手に売れない

出典

制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。

執筆

行政書士 後藤 和樹

後藤行政書士事務所 代表(行政書士 登録番号 25082067)。静岡県・長野県を中心に、設備投資の1年前から補助金の申請・採択後の手続き・入金までを伴走支援しています。

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