結論
環境省の「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ2026事業)」は、公募期間が2026年11月30日(月)までです。既存の店舗・事務所などで断熱窓・断熱材と、高効率の空調・照明・給湯器、BEMSをまとめて入れる改修に、設備費・工事費・設計費の1/2〜1/3が補助されます。予算に達すると期間内でも受付を終えるため、検討するなら今月中に動き出す必要があります。
この事業は、既存の建物の外皮(窓・壁など)の断熱と、高効率設備の導入を一緒に進める改修を支援するものです。執行団体は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)です。店舗を複数持つチェーン店や、本社・事務所棟を持つ会社が、建物の改修時期に合わせて使うことを想定した制度です。
補助の対象と補助率
補助の対象になる製品は、チラシで次のように示されています。製品ごとに補助率が違う点に注意してください。
| 経費区分 | 補助対象製品 | 補助率 |
|---|---|---|
| 設備費・工事費 | 断熱窓、断熱材 | 補助対象経費の1/2 |
| 設備費・工事費 | 空調、照明、給湯器、BEMS | 補助対象経費の1/3 |
| 設備費・工事費 | 空調(トップ性能枠) | 補助対象経費の1/2 |
| 設計費 | - | 補助対象経費の1/2 |
| 上限額 | 1事業あたり10億円 |
|---|---|
| 下限額 | 1事業あたり200万円 |
| 事業期間 | 最大3年間、年度の切れ目なく実施できる |
生産設備や厨房機器は、対象製品の一覧に入っていません。工場の生産ラインの省エネを考えている場合は、省エネ補助金など別の制度のほうが合う場合があります。
満たすべき3つの要件
個々の設備を入れ替えるだけでは対象になりません。建物全体の性能として、次の3つを満たす改修であることが求められます。
- 外皮の高断熱化:断熱窓・断熱材の導入で、改修後の外皮性能BPIを1.0以下にする(現状ですでに1.0以下なら、断熱窓・断熱材の導入は必須ではない)
- 高効率設備の導入:高効率空調、制御機能付きLED照明器具、業務用給湯器のいずれかを入れ、一次エネルギー消費量を省エネルギー基準から用途に応じて削減する
- BEMS等の導入:エネルギーの使い方を見える化し、計測・分析などのエネルギー管理を行う
削減の目安は、ホテル・病院・百貨店・飲食店等が30%、事務所・学校等が40%程度以上と案内されています。BPIや一次エネルギー消費量は、交付申請の時点でWebプログラムを使って計算します。設計事務所や施工会社の協力がないと、この計算が締切に間に合いません。
11月30日までに揃えること
申請はJグランツで行うため、GビズIDプライム(またはメンバー)のアカウントが必要です。まだ持っていない会社は、まずここから手配します。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 今すぐ | GビズIDの取得、改修する建物と範囲の決定 |
| 11月中旬まで | 設計者・施工会社と、BPIと一次エネルギー消費量の計算、見積の取得 |
| 2026年11月30日(月) | 公募期間の最終日(Jグランツで交付申請) |
| 交付決定のあと | 契約・発注。交付決定前の契約・発注は補助の対象外 |
締切の時刻は、環境省の発表では「17時必着」とされています。最終的な時刻と提出方法は、執行団体の公募要領で確認してください。予算に達した場合は、11月30日より前でも受付が終わります。
交付決定のあとに続く手続き
この事業は、採択されて終わりではありません。改修の途中と完了後にも、SIIへの報告が続きます。
- 中間報告:既存設備の写真などをもとに、中間検査を受ける
- 実績報告:設置・検収・支払いまで完了したあと、SIIが定める期日までに提出する。確定検査のあとに補助金が支払われる
- 事業報告:事業完了後、定められた期間、エネルギーの計測データと一緒に報告する
- 財産処分:補助で入れた設備を処分するときは、事前にSIIの承認が必要。補助金の返還を求められる場合がある
交付決定を受けた事業者名や事業の概要は、SIIのホームページなどで公表されます。店舗の改装や移転の予定がある建物は、報告期間と処分の制限を踏まえて対象を選ぶほうが安全です。
税金の扱いもあわせて確認する
SIIの公募情報では、この補助金は圧縮記帳等の適用を受けられる国庫補助金等に当たると案内されています。補助金を受け取った期の法人税をどう扱うかは、顧問税理士と事前に相談しておくと安心です。
審査があるため、申請すればかならず交付されるわけではありません。締切まで約1か月のため、今回は見送って来年度の公募に向けて計画を固める判断もあり得ます。費用はご相談時にお伝えします。
関連ページ:省エネ補助金/多店舗チェーンの補助金/補助金と圧縮記帳/補助金で買った設備の処分
出典
- 令和8年度予算「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ2026事業)」の公募開始について(環境省)
- 脱炭素ビルリノベ2026事業 公募情報(一般社団法人環境共創イニシアチブ)
- 脱炭素ビルリノベ2026事業 チラシ(環境省・一般社団法人環境共創イニシアチブ)
制度の内容・金額・締切は変更されることがあります。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。